まんぷく荘のにぎやかな夕餉 第2話 幸せな空間と未来のために
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ご覧いただきありがとうございます( ̄∇ ̄*) 「まんぷく荘のにぎやかな夕餉 第2話 幸せな空間と未来のために」 同人誌で展開するシリーズの第1話です。 大家さんが店子さんの家に晩ご飯を食べに来るまんぷく荘。 店子の女子大生が成人を迎え、まんぷく荘でお祝いをすることになり? ・文庫サイズ/46ページ 第0話が無料DLできますので、よろしければご覧くださいませ。 https://ee-na.booth.pm/items/3203576
▼おためし読み
(中略) さて、沙恵ちゃんの成人お祝いパーティが催される土曜日がやって来た。軽く昼食を食べて片付けも済ませた結麻は、散歩がてら買い物に行こうと支度をする。 冬の入り口が見えて来て、そろそろ気温も下がって来た。厚手の紫のパーカーを着込み、ボトムにはベージュのフレアロングスカートを合わせる。 マフラーと手袋はまだ早いだろう。結麻は財布やスマートフォンにエコバッグなど、必要最小限だけを入れた小型のショルダーバッグをたすき掛けにした。 出ようかとドアに向かい掛けたところにブザーが鳴る。この音は外に繋がるオートロックでは無く、中のドアだ。住人の誰かだろうか。 覗き穴から見ると、そこに立っていたのは沙恵ちゃんだった。結麻は一旦バッグをダイニングチェアに下ろしてドアを開けた。沙恵ちゃんは今日もばっちりメイクで、デニムのホットパンツから張りのある足がすらりと伸びていた。 「こんにちはぁ〜、突然ごめんなさぁいぃ〜」 「沙恵ちゃん、どうしたん?」 「あのぉ、結麻さんにお願いがあってぇ〜」 沙恵ちゃんは照れ臭そうに、胸元でもじもじと両手をうごめかす。ついその手を見ると、いつもは綺麗に切り揃えた爪にネイルを施しているのに、今日はされていなかった。 「あのぉ、今日、あたしの成人のパーティでぇ、結麻さんもお料理作ってくれるんですよね…?」 「そやで。これから買い物に行こうと思ってな。そんな凝ったもんは作られへんねんけど、楽しみにしとってな」 「あのぉ、それぇ、あたしぃ、一緒に作っちゃ駄目ですかぁ?」 「一緒に?」 結麻はきょとんとしてしまう。沙恵ちゃんは焦った様に「あ、あのぅ」と手を振る。 「あの、あたし、あの、料理ができる様になりたくて、それでネイルも取って、あの」 慌てているのか、いつも以上に辿々しい発言に、いつも伸びている語尾が消えている。表情も不安げなものになってしまっている。結麻は沙恵ちゃんを安心させるためににっこりと笑った。 「ええで。一緒に作ろうか」 言うと、沙恵ちゃんは泣きそうになりながら破顔した。沙恵ちゃんのためのお料理だが、本人が望んでいるのだから、断る理由は無い。 「本当ですかぁ!?」 「うん。買い物から帰って来たら声掛けるわ」 「それもぉ、あたしぃ、一緒に行っちゃ駄目ですかぁ?」 「構へんよ。すぐに出れる?」 「すぐに用意してきますぅ〜!」 「ほな下で待っとるから」 「はぁ〜い!」 沙恵ちゃんは元気に言うと、走って下に降りて行った。かんかんかんと言う音が部屋の中まで聞こえて来る。 「元気やなぁ」 結麻はくすりと笑みをこぼした。 続きはぜひ本でご覧くださいませ。よろしくお願いします!( ̄∇ ̄*)