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ご覧いただきありがとうございます( ̄∇ ̄*) 「まんぷく荘のにぎやかな夕餉 第8話 新年の願いごと」 同人誌で展開するシリーズの第8話です。 大家さんが店子さんの家に晩ご飯を食べに来るまんぷく荘。 年末年始、お仕事の都合で帰省ができなくなった主人公。 大家さんとお正月を過ごすことになるのだが? ・文庫サイズ/20ページ 第0話が無料DLできますので、よろしければご覧くださいませ。 https://ee-na.booth.pm/items/3203576
おためし読み
(中略) そんなわけで、結麻は前もって取っていた帰省用の新幹線のチケットをキャンセルした。三十一日に帰ろうと思えばできないことは無いが、その時点で新幹線のぞみの指定席は売り切れていた。ひかりかこだまの自由席という選択肢もあったが、正直差し迫った年末に席を確保できる気がせず、三時間近くを立ち続けるのは辛かった。なので年明け、三日ののぞみを取り直した。 この二日間の休日出勤は当然代休が取れる。なので本来の正月休みのあとにくっつけて取った。これで世間一般と同じ九日間のお休みである。連休で無くなったのは少し惜しいが、まぁあまり大きなことでは無い。帰省以外の予定は特に無いのだし。 ……いや、これも予定といえば予定だ。それもとても大切な。 結麻は黒豆や田作りなどのパックと、練り物などを冷蔵庫に入れ、金時人参と祝い大根、ごぼうなどの根菜は野菜室へ。干し椎茸は乾物ストッカーに放り込んだ。 これらの一部は一の重に入れる祝い肴になる。不老長寿、子孫繁栄、家内安全などの願いが込められる。 祝い肴は三つ肴とも呼ばれ、関東なら黒豆に田作りと数の子。だが結麻が生まれ育った西の地では、田作りに変わってたたきごぼうである。なら両方入れてまえ、としたのだ。 作るものが難しいものは市販品だが、紅白なますは金時人参と祝い大根で作るし、たたきごぼうも洗いごぼうを使う。数の子もお正月が近いと塩抜きされたものが売られているので、お家でお出汁に浸す予定だ。 二の重には主に焼き物などが入る。ぶりの照り焼きや鯛、八幡巻きなど。それらは今回は省略させてもらう。 だがその分、お煮しめに力を入れる。蓮根、金時人参、筍、手綱こんにゃく、干し椎茸、くわい、絹さや。作り方としては筑前煮と同じだが、使う食材がお正月ならではで、その味わいも変わってくる。特に干し椎茸の戻し汁を使うので、風味も豊かになるのだ。 おせち全体に動物性が乏しいので、鶏もも肉も入れる。それはもはや筑前煮、と思われるかも知れないが、鶏肉料理だっておせちに登場するのだから何ら問題無い。こうして臨機応変にできるのもお家おせちの良いところである。鶏もも肉は消費期限の兼ね合いで冷凍庫に入れた。 今日は二十八日で、お休みの初日である。明日と明後日はコミケで東京ビッグサイトに向かうので、こんな細やかな買い物をする余裕は無いだろうと、今日行ってきたのだった。 おせち料理を整えるのは三十一日の大晦日。そう思うとなかなか怒涛の休日スタートである。こりゃあちょっと気合い入れんとな、と、結麻は気を引き締めた。 大掃除? ……知らない子ですねぇ。 続きはぜひ本でご覧くださいませ。よろしくお願いします!( ̄∇ ̄*)